1914(大正3)年2月、屋久島ウィルソン株に名を残した植物界の巨人、 E.H.ウィルソンは桜島大噴火直後の鹿児島に足を踏み入れた。
伝説のプラント・ハンターのカメラが捉えた鹿児島の自然を追い100年の記憶をたどる旅が今、始まる。
【全文英訳付き】 English Translation
内容(目次より)
第1章 屋久島 Scene I Yakushima
太古の島 ヤクスギの森 An Ancient Island;
the Forests of Giant Trees
100年目の奇跡 A Miracle after 100 Years
里山の変遷 消滅した風景 A Vanished Scenery
第2章 桜島 Scene II Sakurajima
大正初期の鹿児島 Kagoshima in 1914
桜島大正大噴火 The Eruption of Sakurajima
第3章 城山 Scene III Shiroyama
都心のオアシス 城山公園 An Oasis in the City
島津斉彬と写真術 Nariakira and Photography
第4章 蒲生 Scene IV Kamo
麓集落と武家屋敷 Samurai Villages
人里に生きる大クス Giant Camphor of Kamo
第5章 霧島 Scene V Kirishima
火の里 神話の国 Country of Volcano and Myth
写真が語る参道の移り変わり The Changing Approach
to the Gods
ウィルソンが愛したプリンセス Wilson’s Dear Princess
第6章 川内 Scene VI Sendai
鎮守の森 Sacred Shrine Forest
ウィルソンとサクラ Wilson and Japanese Cherries
第7章 磯 Scene VII Iso
近代国家への道のり The Way to a Modern Nation
海洋国家薩摩と琉球 Maritime Satsuma and Ryukyu
<コラム>
ウィルソンの遺産/ウィルソン株の命名者は誰なのか?/
大噴火後の植生の復活/天然記念物 城山の森/武家集落の
植物たち/国立公園 霧島の自然/ソメイヨシノの起源/
殿さまの庭のヤクタネゴヨウ
私たちが今、記録を残さなかったら、100 年後には
その多くは完全に消えてしまうだろう
― アーネスト・ヘンリー・ウィルソン
If we do not get such records of them,
a hundred years hence many will have
disappeared entirely.
― Earnest Henry Wilson
ウィルソンの写真提供 Wilson’s Photos Credit:
ハーバード大学アーノルド樹木園
© President and Fellows of Harvard College,
Arnold Arboretum Archives.
ウィルソンの標本資料提供 Wilson’s Specimen Credit :
ハーバード大学標本館
© Gray Herbarium and Herbarium of the Arnold
Arboretum of Harvard University, Cambridge, MA. USA.
著者 |
古居智子 |
判型、他 |
A5判上製 オールカラー 160ページ |
著者紹介
古居 智子(ふるい・ともこ) Tomoko Furui
大阪生まれ。北海道大学卒。米国ボストンでジャーナリストとして活躍後、1994年米国人建築家の夫とともに屋久島に移住。NPO法人屋久島エコ・フェスタ理事長。環境保護活動に励みながら、屋久島の文化、暮らし、歴史、自然などをテーマに執筆活動を続けている。5年前からウィルソンの調査を開始。資料の発掘と取材執筆に情熱を注ぐ。
著書:『夢みる旅「赤毛のアン」』(文藝春秋)『屋久島 恋泊日記』(南日本新聞社)『屋久島 島・ひと・昔語り』(南日本新聞開発センター)『密行 最後の伴天連シドッティ』(新人物往来社)『はじまりのかたち- 屋久島民具もの語り』(NPO法人屋久島エコ・フェスタ)『ウィルソンの屋久島-100年の記憶の旅路』(KTC中央出版)〈平成26年度南日本出版文化賞受賞〉など