図解 九州の植物 上下巻

●祝!第44回南日本出版文化賞(主催/南日本新聞社)受賞!●

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九州の植物大図鑑、刊行しました


 わが国の植物分類学の権威で、植物に関心のある人なら知らない人はいない故初島住彦博士が絶賛した手描きの細密画によるものです。花、実はもちろん葉、茎、根の細部、毛や薄膜に至るまで精密に描いてあります。
 この図鑑には、九州に産する植物1502種収録されています。どの九州産植物図鑑よりも網羅性が高く、完全版といっていいでしょう。植物同定のための座右の書として、長く活用いただけます。


■概要

『図解・九州の植物 上巻』
著 者 平田 浩
仕 様 A5判、ハードカバー、糸かがり製本
頁 数 704ページ
定 価 本体9000円+税
発行日 2017年8月10日
『図解・九州の植物 下巻』
著 者 平田 浩
仕 様 A5判、ハードカバー、糸かがり製本
頁 数 724ページ
定 価 本体9000円+税
発行日 2017年8月10日


■内容(目次より)

『図解 九州の植物 上巻』
刊行に寄せて 元鹿児島県立博物館館長 福田 晴夫 i
はじめに   平田 浩 iii
凡例 vii
植物各部の用語解説 viii
lシダ類
マツバラン科/ハナヤスリ科/トクサ科/リュウビンタイ科/ゼンマイ科/ウラジロ科/ヤブレガサウラボシ科/カニクサ科/デンジソウ科/キジノオシダ科/ヘゴ科/ホングウシダ科/コバノイシカグマ科/イノモトソウ科/チャセンシダ科/イワデンダ科/ヒメシダ科/シシガシラ科/オシダ科/ツルキジノオ科/ツルシダ科/シノブ科/ウラボシ科
ll種子植物
①裸子植物
イチョウ科/マツ科/マキ科/コウヤマキ科/イチイ科/ヒノキ科
②被子植物
スイレン科/マツブサ科/ドクダミ科 /コショウ科/ウマノスズクサ科/モクレン科/クスノキ科/センリョウ科/マツモ科
a)単子葉類
ショウブ科/サトイモ科/オモダカ科/トチカガミ科/シバナ科/カワツルモ科/ヒルムシロ科/アマモ科/ノギラン科/ヤマノイモ科/タコノキ科/シュロソウ科/シオデ科/ユリ科/イヌサフラン科/ラン科/キンバイザサ科/アヤメ科/ワスレグサ科/ヒガンバナ科/ネギ科/キジカクシ科/ヤシ科/ガマ科/ホシクサ科/イグサ科/カヤツリグサ科/イネ科/ツユクサ科/ミズアオイ科/タヌキアヤメ科/ショウガ科/カンナ科
b)真正双子葉類
アケビ科/ツヅラフジ科/メギ科/キンポウゲ科/ケシ科/アワブキ科/ヤマモガシ科/イソマツ科/タデ科/ナデシコ科/ヒユ科/ザクロソウ科/スベリヒユ科/ツルムラサキ科/ハマミズナ科/ヤマゴボウ科/オシロイバナ科/ビャクダン科/ボロボロノキ科/マツグミ科/ツチトリモチ科/マンサク科/ユズリハ科/ユキノシタ科/ベンケイソウ科/アリノトウグサ科/ブドウ科/ミツバウツギ科/キブシ科/フウロソウ科/ミソハギ科/アカバナ科/ノボタン科/ニシキギ科/ヤナギ科

『図解 九州の植物 下巻』
スミレ科/トケイソウ科/プトランジーヴァ科/トウダイグサ科/コミカンソウ科/フクギ科/オトギリソウ科/ヒルギ科/ミゾハコベ科/カタバミ科/ホルトノキ科/マメ科/ヒメハギ科/バラ科/グミ科/クロウメモドキ科/ニレ科/アサ科/クワ科/イラクサ科/ウリ科/ブナ科/ヤマモモ科/カバノキ科/フウチョウボク科/フウチョウソウ科/アブラナ科/アオイ科/ジンチョウゲ科/ムクロジ科/ウルシ科/センダン科/ミカン科/ミズキ科/アジサイ科/ツリフネソウ科/ハナシノブ科/ツバキ科/サカキ科/カキノキ科/ハイノキ科/サクラソウ科/エゴノキ科/アカテツ科/マタタビ科/リョウブ科/ツツジ科/ヤッコソウ科/アオキ科/ムラサキ科/アカネ科/リンドウ科/マチン科/キョウチクトウ科/ナス科/ヒルガオ科/モクセイ科/イワタバコ科/ゴマノハグサ科/キツネノマゴ科/クマツヅラ科/ノウゼンカズラ科/シソ科/ハエドクソウ科/ハマウツボ科/アゼトウガラシ科/オオバコ科/タヌキモ科/ハナイカダ科/モチノキ科/ウコギ科/セリ科/トベラ科/レンプクソウ科/スイカズラ科/キキョウ科/ミツガシワ科/クサトベラ科/キク科
*分類はAPG体系に従っています。
参考図書 巻末
索引 巻末


著者紹介

平田 浩(ひらた ひろし)

1932年(昭7年)生まれ。1952年(昭27年)鹿児島県立鹿屋高校卒業。1956年(昭31年)鹿児島大学文理学部卒業。同年、鹿児島県立高校の教員となる。鹿屋高校、屋久島高校、甲南高校、甲陵高校、垂水高校、松陽高校、鹿児島南高校に勤務。県立高校退職後、私立鹿児島実業高校に勤務。同校退職後、植物画制作に専念する。
所属:鹿児島植物同好会
著書:『鹿児島の海辺の植物』1984年
   『十島村誌』植物部門執筆・1995年


■推薦の言葉

元鹿児島県立博物館館長 福田晴夫
 手書きの植物図鑑と言えば、あの村越三千男(昭和3年)や牧野富太郎(昭和15年)などの図鑑が懐かしいし、薩摩には島津重豪が作らせたという「成形図説」(文化2年、1805年)に見事な植物の図集がある。しかし、戦後の1950年代から、生物の図鑑はほとんどが写真に替わってしまった。これらはそれなりに美しく使いやすいのであるが、久しぶりに平田氏の手書きの図を見て、いろいろなことを考えさせられた。
 植物の絵なら、美術の素材で花や果実を描くのは普通のことであるし、理科の勉強のために、夏休みの宿題アサガオなどで経験済みの方も多かろう。前者では美しく、後者では精密に正確にが主眼であるから、当然書き方は異なる。しかし、先年、田中一村の作品を見たとき、私が驚いたのは、彼がその前に精密画を別に描いていたことであった。対象を正確、精密に見るということは、恐らく多くの画家にとっても基本的に大事なことなのであろう。一方、戸惑うのは、植物でも動物でも、肉眼から虫眼鏡へ、さらに顕微鏡へと倍率を上げると、切りがないかと思われる緻密で複雑な生物体が見えてくることだ。そして“どこまで精密に書けばよいのか”という率直な戸惑いが生じ、それは生きものへの畏敬の念に変わる。
 それでも、生きもの絵はだれでもある程度までは描ける。しかし、科学的な知識がないと見えない部分があることまでは、なかなか気付かない。平田氏は、植物の種間の相違点をよく認識し、その幾つかを、虫眼鏡で分かる範囲で示そうとしている。ある種は生きた素材を、ある種は押し葉標本を、全体から細かな花のつくりまで丹念に描いている。色は付けてないし、必ずしも立体感があるわけでもない。それでも、一つ一つの植物が生き生きと、見る者に語りかけてくるようだ。写真は何分の一秒かで植物の実体を写し取るが、平田氏の図には、何時間、何日、いや何年かかっただろうかと思わせる彼の執念と努力の跡がにじみ出ている。久しぶりにみる手書き図集の登場で、頁を繰るのが楽しい。
 私は平田君と同世代で、大学生時代から高校教師の長い時代、何回も共に山野を歩き、彼はもちろん植物を採り、私は昆虫を追った。お互い爺世代になったが、久しぶりに会った彼は昔と少しも変わっていなかった。彼が楽しそうに持参したスケッチ集は、続けることの大事さと威力をいかんなく示唆しているように思う。  
 

定価 (販売価格)

18,000円(税込19,800円)
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