奄美・沖縄 カトリック宣教史―パリ外国宣教会の足跡―

パリ外国宣教会の若き神父たちが
奄美・沖縄にかけた巨大な努力の記録

日本の鎖国が解かれてからも、キリスト教はなお宣教が許されなかった。沖縄での孤立と島人に溶け込んでいった奄美での日々。多くの仲間を病気や水難で失いながら、地震の被害の中でも住民に手をさしのべつづけた神父たち。
在日50年を越え、長崎の崎津教会の墓地に眠るハルブ神父が大正期に書きとめた、初期奄美・沖縄のカトリック宣教の情景が、いま生き生きとよみがえる。
日本カトリック教会史の重要な記録である。


内容(目次より)

第1章 琉球
第2章 神父たちのみた奄美大島
第3章 大島の神父たち
第4章 大島での対立と大きな収穫
第5章 大島の人びととの別れ


■推薦

◎オリビエ・シェガレ神父(渋川教会・前パリ外国宣教会日本管区長)
 奄美大島での宣教のことを知る貴重な資料として、日本の多くの方々におすすめします。非常にていねいな翻訳で、ハルブ神父の文章の個性やニュアンスが見事に反映されています。ハルブ神父はこの本の出版をきっと大いに喜んでいます。

◎百瀬文晃神父(元上智大学神学部教授・イエズス会司祭)
 訳者の岡村和美さんは、本文の翻訳だけでなく、当時の状況や地理の確認も、情熱をもって取り組みました。明治時代のカトリック教会史はもちろん、およそ福音宣教とは何なのかを、改めて考えさせる書物です。

◎押川壽夫神父(カトリック那覇教区・名誉司教)
 奄美の宣教師たちが肌で感じた島の姿が生き生きと描かれた歴史ドキュメント。琉球弧・奄美文化のルーツを辿り、今は滅びた懐かしい島の年中行事やたましいの姿を識る貴重な記録として、心のふるさとの原風景を知るには最良の書といえよう。

◎郡山健次郎神父(カトリック鹿児島教区・名誉司教)
 ハルブ神父様についての著作は読んだことがあるが、本人の残されたものはこれが初めてで翻訳が完成したことをとても嬉しく思います。我が古里の瀬留教会建設にも尽力された神父様なので当時、神父様がどんな思いで宣教されたのか教会建設に関してどんな苦労をされたのか具体的に知ることができるので、直接手にとって読むことができるのを楽しみにしています。多くの皆さんに読んでもらいたいと思います。

初期カトリック宣教の情景が、いま生き生きとよみがえる。

著者 A.ハルブ神父/著、岡村和美/訳、安渓遊地/監修
判型、他 A5判 127ページ

著者紹介

著者/A. ハルブ神父

1864年、フランス北西部セ(Sees)教区で生まれた。パリ外国宣教会に入り,1888年9月司祭に叙階、宣教師として日本に派遣され,奄美と長崎で大きな足跡をのこした。長崎県崎津教会で日本滞在56カ年の生涯を終え1945年1月帰天した。

訳者/岡村和美(おかむら・かずみ)

九州大学文学部仏文学科卒業。山口日仏協会理事。樋口かずみの筆名で,『九州文学』同人を経て,『文芸山口』同人。

監修者/安渓遊地(あんけい・ゆうじ)

人類学専攻。奄美沖縄と熱帯アフリカで人と自然の関係を研究。京都大学理学博士。山口県立大学名誉教授。著作に,宮本常一との共著で『調査されるという迷惑』(みずのわ出版,2008 年),当山昌直との共編著で『奄美沖縄環境史資料集成』(南方新社,2011 年),監修書に『地中海食と和食の出会い』(南方新社,2019 年)など。

型番 978-4-86124-421-6

定価 (販売価格)

1,500円(税込1,650円)
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