新南島雑話の世界

幕末奄美の貴重な生活記録

幕末期の薩摩藩士・名越左源太(1820〜81)。 『南島雑話』は、左源太が5年間の奄美遠島中に、島内の動植物、魚介類や農耕儀礼、冠婚葬祭から伝説に至るまで、奄美の風土をつぶさに観察、取材し、詳細な図入りで書いた民俗・博物誌。幕末期奄美の暮らしを知ることができる貴重な記録である。 本書は、著者が原文を読み込み、黒糖や焼酎の製法など生業を中心に、自然、民俗を現在と比較しながら紹介。左源太の描いた図絵も多数収録する。

なお、本書は前著『南島雑話の世界』の続編に当たるもので、祭事が中心の前著に対し、本書は、生業、民俗、動植物を中心にする。著者は、奄美大島出身で、昭和初期〜中期に残る奄美の古風の体験が本書にも生きている。


■内容(目次より)

第一章 奄美の自然
幕末期奄美の鳥獣・海産物・植物/毒蛇ハブのこと/ワニの漂着 など
第二章 奄美の暮らし
黒糖づくり/ヤンチュのこと/大島紬づくり/芭蕉布づくり/焼酎製法のこと/豚小屋と雪隠 など
第三章 奄美の民俗
ユタ之事/アモレヲナグとゾフリと女幽霊/奄美のケンムン考/馬の角一夜に生ず/ナマントカナシ/奄美女性の憧れ・ハヅキ(針突) など
第四章 昭和の奄美 私の民俗学的追憶

生業、自然、民俗を現在と比較しながら紹介

著者 名越 護
判型、他 四六判並製 341頁

著者紹介

名越 護(なごし・まもる)

1942(昭和17)年奄美大島宇検村生勝生まれ。鹿児島県立甲南高校から1965(昭和40)年立命館大学法学部卒、同年3月記者として南日本新聞社入社。2003(平成15)年編集委員で定年退職。鹿児島民俗学会会員。著書に『南島雑話の世界』(南日本新聞開発センター刊)『奄美の債務奴隷ヤンチュ』『鹿児島藩の廃仏毀釈』『自由人西行』『鹿児島野の民俗誌』『鹿児島民俗ごよみ』(ともに南方新社刊)など多数。『南島植物、民俗学の泰斗 田代安定』(南方新社刊)で第43回南日本出版文化賞受賞。

型番 978-4-86124-457-5

定価 (販売価格)

2,800円(税込3,080円)
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