古老に聞いた島の暮らし 五島列島小値賀町大島に生きる

忘れられた自給の知恵

かつて日本中に、その地の資源を活かし、自らの手で全てを作り出す暮らしがあった。 本書は、長崎県五島列島小値賀町大島において海と大地に生きた古老の記録である。


■内容(目次より)

はじめに
この本について
第一章 島で育つ:徳蔵さんの少年時代
道ん下、藁仕事、運動会、メジロカゴ、日の丸麦飯弁当
第二章 島を背負う:徳蔵さんの青年時代
戦争と敗戦、藻引き、泊まり山、磯役目、麦刈り、スイカ、男の仕事
第三章 嫁:マツノさん
宇々島の子守、総代と村寄り、麦炊き、青年団、嫁祝い、女の仕事
第四章 島の四季
季節の味と行事、ご先祖様と仏様、味噌つき、御山詣り、神渡し、慶弔行事
第五章 暮らしが変わる
台所の改装、来る命、去る命 つながる生、人力から機械へ、村舟から町営船へ、出稼ぎ
第六章 食
潮豆腐、団子、ずしシリーズ、粟の話、スイカ糖、カンコロ、クレイオ、クサビの炙り、 麦飯、鯨、島ことばの温もり
おわりに


「誰も一人じゃなんもできんとよ」と、徳蔵さんはよく言う。野菜も道具も色々作れる人が、そう言う。それぞれに技術があったとしても、一人では「大島で生きる」ことはできなかった。親族で、隣近所で、村全体で協力しあって、初めて島の暮らしが成り立った。技術も大事だが、それが育んだ強さと優しさこそ伝えていくべきものではないだろうか。と、そんな強さと優しさを持たない現代人のわたしは思った。いつか忘れられてしまうかもしれない暮らしを書き留めたい。(「はじめに」より)


著者 歌野 杳
判型、他 四六判並製、247頁

著者紹介

歌野 杳(うたの・よう)

1980年生まれ。和歌山の山村を経て上五島に移住し、自給自足を目指す家庭に育つ。カナダで環境学を学んだ後、移民の街で様々な文化と食に触れる。2012年〜18年小値賀島で暮らす。現在は上五島にて家業の老人ホーム「ひろんた村」運営に携わりつつ、鍼灸師として修業・活動中。

型番 978-4-86124-455-1

定価 (販売価格)

2,000円(税込2,200円)
購入数


お知らせ


ブログ・からいも畑から


下田写真帳


メールマガジンで新刊案内をお送りさせていただきます

Top