南西諸島史料集 第2巻 名越左源太関係史料

第2巻『名越左源太関係史料』遂に発刊

江戸末期の南島の風俗を描いた不朽の名著「南島雑話」で名を残す薩摩流人・名越左源太の関係史料集。
「大島遠島録」をはじめ、翻刻は困難と言われていた「夢留」の活字化に成功。今回、編者が新たに発見した「南島雑話」の異本「南島雑記」も収録。
南島の歴史・民俗研究家、待望の一冊が登場する。

内容(目次より)

解題
一、名越左源太について
二、幕末外交と「南島雑話」の成立
三、高崎崩の志士 名越左源太翁
史料編
一、名越時敏謹慎並遠島一件留
二、高崎くづれ大島遠島録
三、夢留
四、佐和雄唐漂着日記写
五、文化薩人漂流記
六、南島雑記

◎推薦のことば

再考と記録
山下欣一(鹿児島国際大学名誉教授)
 悲惨な第二次世界大戦の戦禍から立ち上がらんとする奄美・沖縄の人々の第一歩は、自らの歴史についての再考と記録であった。その先駆的成果は奄美・名瀬市誌三巻と史料集の刊行であった。島尾敏雄・原口虎雄両先学の活躍は記憶さるべきである。
 ここに、改めて『南西諸島史料集』全五巻の刊行が企画され、その第一巻として『十島図譜』などの史料集が刊行されることになった。時宜を得た企画であり、これらの刊行を待望したいと思う。
松下薩南学
有馬 学(九州大学教授)
 松下志朗氏の研究を評するには、石高制など日本近世史の正統的主題を語るだけでは不充分である。一つは被差別民、もう一つは奄美をはじめとする薩南の島々へのまなざしを抜きにして、松下氏の研究は語れない。松下氏は島人ではない。だが氏のライフヒストリーの中で、奄美の重さは余人には計りがたい。そのような氏の研究は、松下薩南学と名づけてしまいたい誘惑にかられる。私たちも松下さんの後について、これから刊行される史料の言葉に虚心に耳を傾けようではないか。

2008年11月第2巻刊行、500部限定

著者 松下志朗編
判型、他 A5判 上製本 布クロス 箱入り 500ページ

[全五巻セットでのご購入]

著者紹介

松下志朗(まつした しろう)

1933年鹿児島県生まれ。1986年九州大学経済学部教授、1996年福岡大学商学部教授、2003年退職。
主な著書に『近世奄美の支配と社会』(第一書房)『幕藩制社会と石高制』(塙書房)『石高制と九州の藩財政』(九州大学出版会)『近世九州の差別と周縁民衆』(海鳥社)『鹿児島藩の民衆と社会』(南方新社)『奄美史料集成』(南方新社)他。
共編に『宮崎県史』(史料編 近世1〜6、宮崎県刊)『宮崎県史』(通史編 近世上・下、宮崎県刊)『都城市史』(史料編 近世1〜5、都城市刊)他。

型番 978-4-86124-146-8

定価 (販売価格)

18,000円(税込19,800円)
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